市役所幹部との「ラブホテル密会」騒動の渦中にある小川晶・前橋市長(42)。10月2日、市議たちへの2度目の説明のため議会に現れた。だが、記者たちの追及は市役所ぐるみで“徹底ガード”し、阿鼻叫喚の様相に――。

マスコミが立ち入りできないエレベーターを…

9月24日にも記者会見を行っていた小川市長 ©時事通信社

 連日報じられる疑惑の熱は冷めず、前橋市役所は報道陣が押し寄せて騒然としていた。市政関係者が言う。

「市長は一般的な動線ではなく、マスコミが立ち入りできない議会内のエレベーターを使って議場入りしたようです。待ち構える多くのレポーター、新聞記者達の追及を避ける意図があったのでしょう。相当な警戒ぶりでした」

 市議会での説明は冒頭以外、非公開とされ、メディアはシャットアウト。各会派から厳しい質問があったが、釈明は従来を踏襲したものだったという。関係者が言う。

「ラブホはあくまで市幹部との『相談場所』と説明する一方で、その相談の場所を『誤った』という理屈です。『市民の声は重く受け止めている』『引き続き説明を尽くす』などとも語っていました」

「撮影しないでください!」と叫ぶ声

 議会への説明後、「囲み取材に応じる」というアナウンスが市役所職員からなされたのだが、

「記者からの質問はナシでお願いします。さらに、市長に付いていかないでください」

 と条件が課された。つまり小川市長は公開の場での質問には答えず、一方的な発表を行うという宣言だ。

 取材陣は50人超。約2時間にわたる説明会が終わると市の職員が6~7人ほど現れ、区切られた取材スペースから記者が出ないようにガッチリと周りを固める。徹底的に市長をガードする厳戒態勢だ。市長がエレベーターから降りて取材会場へ向かう際にも、移動中の撮影は禁止だとして担当者が大声で叫んだ。

「まだ会見じゃないので撮影しないでください!」

 果たして小川市長は、黒のジャケットに白いシャツ、ベージュ色のロングスカートという出で立ちで報道陣の前に現れた。いくらか焦燥した様子ながら、メモを見ることなく淡々と語りだした。

10月2日、囲み取材会見で話す小川氏 ©時事通信社

わずか2分で足早に立ち去る

「議員の皆様からの質問やご意見に対して私の考えを答えさせて頂きました。各会派からは大変厳しいご意見を頂きましたので、自分のなかでしっかりと受け止めたいと思います」

 そして自身の進退について、

「私自身の責任の取り方については、本日も議会から色々なご意見、厳しい声も頂きましたし、市民の皆様の声も受け止めながら、また支援者や弁護士にも相談する時間を頂きたいとお伝えさせて頂きました。しっかり考えた上で判断したいと思っています。市民の皆さんからも直接、厳しい声もすべて受け止めて、その上での判断にさせて頂きたいと思います」

 そう語り、具体的な見通しは明言を避けた。

 囲み取材の時間はわずか約2分間。小川市長は話し終えるや一礼して足早に立ち去る。その背中に報道陣から「進退については」との質問がかけられたが、一切答えることはなかった。

 だが小川市長の疑惑は、ラブホテル密会だけに留まらない――。

夜間通用口から退庁する市長に直撃

厳しくエリアが区切られた小川市長の取材 ©文藝春秋

週刊文春」ではすでに、後援会長B氏、ヒッピー風の男性C氏ら「複数の男性」との関係についても報じている。

 小川市長に直接取材を試みるべく、退庁する市長を直撃した。午後6時55分、小川市長は、黒スーツ姿の4~5人に周りを守られながら市役所の夜間通用口に現れた。

――後援会長との関係は?

「……」

――あの、市長!

「……」

 記者に一瞥もくれず、表情は険しいままでぴくりとも動かさない小川市長。記者がさらに近付くと、「危ないですよ」と周囲に動線をガードされて押しのけられる。

――ではCさんとは?

 だが、小川市長は一言もなくワゴンタイプの公用車へ乗り込み、ドアが勢いよく閉められ、車は走り去った。他のメディアからの進退を問い続ける質問もあったが、小川市長は同様に無視を貫いた。

 10月2日までに市役所には約5000件の苦情や意見が寄せられているというが、果たして彼女は今後、どのような身の振り方をするのか。質問に絡む「複数男性」との関係をはじめ、彼女の疑惑についての記事は「週刊文春電子版」および2日発売の「週刊文春」に掲載している。

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source : 週刊文春