「現代の日本人は疲れ過ぎている」。栄養学の専門家は警鐘をならす。細分化された医療では捉えきれない不定愁訴。原因の多くは特定栄養素の欠乏にあるらしい。飽食の時代の栄養失調を克服し、真の豊かさを取り戻そう!
「休日に休んでも疲れが取れない」「ぐっすり寝たはずなのに朝なかなか起きられない」「最近、物忘れが激しくなった」「イライラしやすい」……。日々の仕事や勉強、家事や育児に追われ、“漠然とした不調”を抱える人は少なくないだろう。

「実はその不調、栄養不足が原因かもしれません」
こう指摘するのは、分子栄養学に基づく栄養療法を専門とするKYBクリニックの田畑淳子院長だ。不定愁訴に悩む人の“駆け込み寺”として、2008年から17年間で延べ1万人以上を診察し、症状に合わせた栄養指導を行ってきた。

「KYBは『Know Your Body』の略。内科や精神科など、既存の診療科では原因がわからず追い返された方や、不調が改善しなかった方がよく当院に相談に来ます。患者さんを診ていて痛感するのは、『日本人はみんな疲れ過ぎている』ということ。原因を探っていくと、現代人に特有の栄養失調状態に行き着くのです。戦中戦後の食糧不足による従来型の栄養失調ではなく、飽食の時代、十分に食べているはずなのに栄養が足りていない状態はまさに“新型栄養失調”といえます」
日本人の栄養失調は、戦後の食生活の変化と密接なかかわりがあるという。
「理想は、昭和50年代の食卓です。米や魚、野菜や山菜、味噌汁をベースに、肉や乳製品、フルーツがほどよくプラスされ、バランス満点の食事でした。現代はコンビニ食や弁当、冷凍食品など、できあいの加工食品の登場機会が増えたために、カロリーは摂れていても、体が十分に機能し健康を維持するために必要な栄養素が不足しているのです」
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source : 週刊文春 2025年10月16日号






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