日本の刑事司法では、警察が逮捕した容疑者の起訴・不起訴は検察に委ねられる。地検によっては不起訴比率が50%を超える一方、ひとたび起訴されれば一審の有罪率は95%超にのぼり、裁判の空洞化も指摘される。いま、この不起訴を巡り、金沢発のニュースが波紋を広げている。
「11月21日、北國新聞が『金沢地検は、容疑者を不起訴とした場合、その理由を報道機関に原則公表する方針を明らかにした。2020年以降、原則非公表としてきたが、地検の判断で方針を転換した』と一面で大きく報じました。さらに、不起訴事件について週1で説明の場を取り付けたと聞く。不起訴理由はこれまでほとんど開示されてこなかっただけに、異例の対応に注目が集まっています」(司法担当記者)
不起訴の主な理由は、犯罪の軽重や被害者の処罰感情などを考慮して起訴を見送る「起訴猶予」、犯罪を認定する証拠が揃っていない「嫌疑不十分」、犯罪の疑いがない「嫌疑なし」の3つ。通常、検察は不起訴理由を非公表とし、報道機関の記者は担当検事への夜回りなどで個別に取材するほかないのが現状だ。両者の間では連日、次のようなやりとりが繰り広げられている。
記者「本件、不起訴の理由は? 逮捕時に記事を書いていて、内容次第では名誉回復のために改めてニュースで流さなければ」
検事「個別の理由については答えない。以前からそう言っているだろう」
記者「状況的には起訴猶予、ですかね……?」
検事「諸般の事情を総合的に判断して不起訴。それ以上は聞くな」
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source : 週刊文春 2025年12月4日号






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