夜空に高く舞い上がる赤い炎が、夜の団らんを迎えようとしていた閑静な漁師町の家々を焼き尽くした。11月18日の夕刻、大分県・佐賀関の火災により、180棟を超える建物が焼損し、焼け跡からは1人の遺体が見つかった。
風が吹きつけ、空気が乾燥する冬。寒さ対策で暖房器具の使用も増え、火災の発生数が増える季節だからこそ気を付けたい、令和の新・火事対策とは――。
「1976年の山形県酒田市の大火以来の規模の火災でした。焼損範囲は約4万8900㎡で、周辺の山も10カ所程度焼けた。約1.4km南東にある無人島・蔦島にも『飛び火』したのです」(全国紙社会部記者)
なぜ佐賀関の火災は甚大な被害をもたらしてしまったのか。愛媛大防災情報研究センター副センター長の二神透氏が明かす。
「木造住宅が密集し家同士の間隔も非常に狭い地域だったことが理由です。当時秒速10mの風が吹き付けていたため、延焼スピードが速かった。細い道路が多く、消防車の侵入が難しい街区だったことも、被害が拡大した要因でしょう」
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source : 週刊文春 2025年12月11日号






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