「サロンパス」で知られる久光製薬が1月6日、経営陣による買収(MBO)で非公開化すると発表した。創業家出身の中冨一榮社長(53)の資産管理会社「タイヨー興産」がTOBを実施し、全株を買い取る方針。買い付け価格は一株あたり6082円で、同社の価値は約4500億円と算出されている。TOB成立後は上場廃止となる。
「久光製薬は約180年の歴史を持つ九州の名門企業で、中冨家から経営者を輩出している。サロンパスは世界100カ国以上で商標登録され、市販の鎮痛消炎貼付剤分野でシェア9年連続世界1位。財務内容も良好で、借入依存度も低く、内部留保も厚い」(金融関係者)
これまで業績は堅調に推移してきたが、ここ最近は湿布薬の競争が激化し、サロンパスの売り上げも減少。同日に発表した25年3〜11月期決算は、売上高は前年同期比2.9%増だったが、純利益は13%減と落ち込んだ。
同社はMBOの目的について、短期の利益にとらわれず、長期的な成長につなげるためとしているが、実はそれだけではない。

「政治的なプレッシャーも大きかったと思います」
そう語るのは大手証券幹部だ。背景にあるのは、高市早苗政権が打ち出した「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し」。OTC類似薬とは市販薬と成分や効果が同様の、医療機関で処方される保険適用となる医療用医薬品のことだ。久光製薬の経皮鎮痛消炎剤「モーラステープ」なども見直しの俎上に載せられる可能性が高い。
「久光製薬の経皮鎮痛消炎剤は年間約200億円を売り上げています。見直しの対象となり、保険適用から外れると、患者の負担増から需要減少は避けられない。株主からの突き上げを避けるためにも、MBOを決断したのでしょう」(同前)
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source : 週刊文春 2026年1月22日号






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