中国による対日圧力強化や、米国のベネズエラ攻撃など、年明けから日本の外交にも深刻な影響を与える出来事が相次いだ。日本政府の外交責任者は、この非常時に各国を飛び回って日本の立場を説明しなければならないはずだが、茂木敏充外相(70)は腰が重く、政府・自民党内で評価が急降下しているという。
米軍がベネズエラの首都カラカスの軍事施設を攻撃し、米特殊部隊デルタフォースがマドゥロ大統領夫妻を拘束したのは1月3日未明(現地時間)だった。
同盟国の米国が国際法を無視して主権国家に武力介入――。「法の支配」重視を対中批判の根拠とする日本にとって、難しい対応を迫られる一大事態だ。外相の立場で考えれば、まずは高市早苗首相と詳細な腹合わせをしなければならない。その上で、米側と意思疎通を図ったり、力のある第三国と対米方針の共通認識を持つために連携したりと、即座にやるべきことが山とあるはずだ。しかし、茂木氏が具体的に見える形で動いたのは、日本時間の1月7日午前4時から開かれたG7外相電話会談からだ。

外務省幹部は「茂木氏は米攻撃直後に首相と電話などで話し合っている」というが、官邸関係者は「茂木氏からの逐次報告はないとはいわないが、乏しい」と打ち明ける。一方、茂木氏側は「日本の安全保障を実質的に米に頼る以上、米側とどのような距離感で向き合うのか、官邸から明確な方針が降りてこない」と逆に不信感を露わにする。つまり、緊密な連携とは程遠いのが実状だ。
自民党幹部は、茂木氏が「対中国でも動きが鈍い」と批判する。台湾有事を巡る高市首相の国会答弁以降、中国は軍事・経済両面で対日圧力を強めており、中国の王毅外相は各国の外相などに日本の非道ぶりを訴える情報戦も仕掛けている。茂木氏は日本の立場を各国に説明し、少しでも多くの味方を得なければならないはずだが、この年末年始は足が止まったままだ。
「ポスト高市」のライバル小泉進次郎防衛相は今週、米のヘグセス国防長官と就任以来電話を含め4度目の会談に臨む。先の官邸関係者は「小泉氏は高市首相に直接連絡してくる頻度が高い。豪州やニュージーランドなど、対中戦略上重要な国とも意思疎通を進めている」と、茂木氏との違いを露骨に語る。
茂木氏はようやく10日から、イスラエルとパレスチナ、インド、フィリピンなどを回る外遊を始めた。訪問した先々で、特産品などを説明する1分程度の解説動画をSNSに流し、自身の親しみやすさも宣伝しているが、「他にやることがあるだろう」という政府・与党の声をどう聞くか。
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source : 週刊文春 2026年1月22日号






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