トランプ大統領は2月4日、習近平国家主席との電話会談の内容をSNSで発表した。話し合ったのは米国産大豆輸入量の引き上げ、航空機エンジンの購入、台湾問題、ウクライナ戦争、イラン情勢など。習氏との関係は良好で、多くの成果が期待できるだろうという、極めて楽観的な内容だった。
一方、中国側の発表を見ると、印象はがらりと変わる。習氏は「台湾問題は最重要問題」「米国は台湾への兵器売却に慎重であるべきだ」などと主張し、トランプ氏も「尊重する」と回答したとされる。なお、中国側では大豆やエンジンの話には一切触れられていない。
公式の外交訪問ではないが、共に自国に都合の良い部分だけ公表しているのは滑稽ではある。トランプ時代の外交はこういうものなのだろうが、笑い話で済まされないのが台湾である。

1月に米国が発表した国家防衛戦略では台湾防衛に関する記述が消え、台湾有事でも米軍は動かないのでは……と、米国を疑う「疑米論」が台湾で強まっている。頼清徳総統は2月5日、会談を受けて、米国との関係は「揺るがない」と述べたのだが、不安感を募らせている台湾人は多い。
「『米国は大豆を売り、台湾は主権を売る』という言葉が流行るほどです。笑い話にしているが、危機感は高まっている」と話すのは、日本在住の台湾人投資家の郭氏(仮名)だ。
米台は1月15日に貿易協議で合意。「相互関税」は15%にまで引き下げられ、代わりに2500億ドルの対米投資を約束した。この投資の多くは米国での半導体工場の建設にあてられる。
「半導体工場はシリコンシールドと呼ばれ、米国が台湾を守る大きな動機となっていた。米国に工場を作ってしまえば、台湾はもう用済みになるのではとの言説が広がっています」(同前)
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source : 週刊文春 2026年2月19日号






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