「マスクをしていない米兵はよく見ます。この辺では基地に関係するところで働いている人も多いので、言いにくいですけど……しっかり対策してほしいですよね。私たちが普段使っているスーパーの入り口でもマスクしていない米兵を見かけました。お店に入る時にマスクをしていないのだから、いつクラスター(感染者集団)が発生してもおかしくなかった」
米軍基地「キャンプ・ハンセン」を抱える沖縄県中部に位置する金武町。基地の近隣に住む60代の女性は、不安げな表情でこう語った。
キャンプ・ハンセンのメインゲートの前には、「新開地」と呼ばれる繁華街が広がる。日の丸と星条旗を掲げた象徴的なゲートが目を引き、訪れた人を異国情緒が包み込む。沖縄では、こうした繁華街・歓楽街は「社交街」と呼ばれ、各地に点在する社交街は、夜になると多くの若者や米兵たちで賑わっている。
だが、普段であれば深夜まで酔客の喧騒で包まれるという「新開地」は今、静まり返っている。ビール瓶片手に路上で談笑している米兵たちの姿も見えない。1月7日20時頃、記者が訪れた時にメインストリートを歩いていた人は数えるほど。私服姿の米兵もほとんどいなかった。代わりに目に入ってきたのは、静まり返った社交街を巡回する制服姿の米兵の姿だった——。
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新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大が止まらない。
「第6波」の中心地となっているのが、沖縄県だ。1月6日に新規感染者981人を数えると、7日には1414人、8日には1759人、9日には1533人……と急速に拡大し、1週間前の約30倍のペースで増加し続けている。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル