「8時半過ぎに消防車が10台くらい来て、驚いて店の外に出たんです。火事かと思ったら、倒れている女性らしき人がいた。東大の守衛室の前には黒縁眼鏡をかけた痩せた男性が壁に寄りかかっていて、警察が彼に対して『どこから来たんだ!』と何度も大声で呼びかけていました」

こう語るのは、東京大学弥生キャンパスの向かいで酒屋を営む男性。1月15日、名古屋市在住の少年A(17)が、キャンパス前の路上で大学入学共通テストの受験生ら3人を刃物で刺したのである。Aは殺人未遂容疑で現行犯逮捕され、同大で16日にも行われた共通テストの受験生、3702人に大きな衝撃を与えた。

Aは事件直前、東京メトロ東大前駅で着火剤を燃やし、不審火も起こしている。名古屋から高速バスで東京を目指したAは、皮肉にも東大志望の高校2年生だった。

「彼はクラスでも飛び抜けて勉強をしていました。休み時間もずっと……。一度スケジュール帳を見せてもらいましたが、勉強でほぼ予定が埋まっていたんです。とにかく『東大理三に合格する』ことに執着していた気がします」(高校の同級生)

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source : 週刊文春 2022年1月27日号