校了後の夜、激しい喉の痛みと悪寒で目を覚ました。1月12日の午前3時。「風邪が悪化したか」。私は知らなかった。すでにコロナに蝕まれていたことを――。
体温計は37度6分を表示していた。夜が明けると39度7分まで上昇し、あまりの悪寒に布団から出ることすらままならない。乾いた咳も出始めた。
午前9時、東京都発熱相談センターへ電話をかけた。女性が出て問診が始まる。最寄りの発熱外来を3軒紹介してもらったが、
「ただいま、電話が大変混みあっております」
感染者増の影響か、電話がつながらない。1時間かけて予約できたのは午後6時の診察。夕方、家から5分の病院に歩いて向かう。
「インフルエンザの検査をして、陰性だったらPCR検査をします」
防護服姿の女医はそう言い、インフルエンザ検査用の細長い綿棒を私の鼻の奥に突っ込んだ。5分後、陰性と判明。次にPCR検査専用のカップに少量の唾液を吐きだした。この検体を検査機関に送るという。
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source : 週刊文春 2022年1月27日号