「大雪が降るとさ、周りの音が全てかき消されるの。だから、隣の家が倒壊しても気がつかないんだ……」
雪かきをしていた男性は作業の手を止め、そう呟いた。視線の先には、道路標識のポールをすっぽりと覆い隠す高さまで積み上げられた雪塊があった。
***
今冬、東北地方の日本海側は深い雪に覆われた。
秋田県内では1月20日未明から記録的な大雪となり、横手市で117センチ、北秋田市で93センチ、能代市で64センチ、秋田市で50センチの積雪量を観測。中でも能代市と秋田市は平年の約3倍だった。県内の雪に関連した死傷者は20日時点で68名(うち死者4名)にのぼり、約1億3800万円の農業被害をもたらした。
山形県でも20日から数日にわたり雪が降り続けた。大蔵村で225センチ、西川町で205センチ、尾花沢市で129センチ、米沢市で95センチの積雪量を観測している。
大雪に見舞われた街は今、どのような状況になっているのか。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル