1日数万人のコロナ感染者を出しているイギリス。だが専門家から時期尚早との声もある中、ジョンソン首相は感染対策規制のほぼ全面解除に踏み切った。その背景には、首相官邸の“パーティーゲート”がある。
「発端は昨年12月に『デイリー・ミラー』紙が、2020年12月に官邸でクリスマス・パーティーが開かれていたと報じたこと。官邸は当初、事実を認めなかったが、首相報道官がパーティーについて言及した映像が流出。報道官は辞任に追い込まれた」(英紙記者)
これを契機に、次々とロックダウン中に官邸で開かれたパーティーが明らかとなる。20年5月15日には首相や官邸スタッフに、キャリー夫人も加わって庭でワインを楽しみ、その5日後にも、約30人が宴会をしていた。極めつけは昨年4月16日、エリザベス女王の夫・フィリップ殿下の葬儀前夜にも行っていたこと。スタッフが酒屋でワインを大量に購入、深夜1時まで宴会は続いたという。判明しているだけで、パーティーは計16回に及ぶ。
規制を強いられていた中での宴会に国民の怒りは爆発。火に油を注いだのが、ジョンソン首相の弁明だ。
当初は官邸で「パーティーなど開催されていない」と主張していたが、映像が流出すると「初めて知った」。自身が参加していることがバレると、「飲み会に参加しているとは思わなかった」と、主張を翻し続けた。
1月18日、スカイニュースの取材でも、フィリップ殿下の葬儀前夜にパーティーをしていたことについて、半泣きで女王への謝罪コメントを述べ、
「規則に違反しているとは誰にも言われなかった」
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source : 週刊文春 2022年2月3日号