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感染した23歳小誌記者が専門家に聞く!「療養解除の基準は」「検査は受けるべき?」「市販薬は使っていい?」

「週刊文春」編集部
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 1月12日に発症。先週号で自宅療養中の体験記を書いた記者が、感染したことで浮かんだ数々の疑問を、専門家にぶつけた。

「本日で療養終了です」

 PCR検査で陽性が判明して10日目の22日夜、保健所から通知がスマホに来た。遂に外に出られる。だがふと思う。熱も無ければ、喉の痛みも無いが、多少咳は出る。本当にこのまま人に会って大丈夫なのか?

 一時は39度7分の熱、喉の痛みと咳に苛まれたが、療養5日目には普段通りの生活に戻った。オードリーのラジオを聞き、ゲームを楽しむ余裕も出た。だが、咳は長引いていた。

 病院で検査を受け、医師や保健所の指示で始まった療養期間だが、終了は自己判断で決まる。療養解除の基準を保健所に尋ねると、

「発症から10日経過、かつ症状軽快から72時間が経過すれば、自己判断で療養を解除していい」

 という。試しに抗原検査を受けると陰性だった。だが、PCR検査を受ける必要はないのだろうか。そこで池袋大谷クリニックの大谷義夫院長に聞いた。

「検査の必要はありません。仮に検査を受ける場合、保険は適用されず自費での検査となります。ただウイルスの死骸を拾ってしまい、陽性反応が出ることもあるのでお勧めしません」

大谷氏

 仮に、喉の痛みや咳などの症状が続いていても大丈夫なのか。感染症コンサルタントの堀成美氏が語る。

「問題ありません。感染性は約7日すぎるとなくなっていくという諸外国のデータがある。症状が残るのは、感染によって喉の粘膜や気管支にダメージを負っているから。次第に症状はなくなっていきます」

 しかし、注意点もある。

「咳が15秒から30秒続く、または寝付けないほど激しい咳が1週間続く場合は、肺炎か咳喘息を発症している可能性があります。再度、医療機関を受診しましょう」(大谷氏)

 自分の場合はたまに咳が出る程度。外に出て問題ないという。では療養中に講じた対策は、あっていたのだろうか。例えば、喉の痛みを緩和するために蜂蜜入りの紅茶を飲んだが、

「蜂蜜には抗炎症作用があり、症状を緩和する効果はあるでしょう。ただ紅茶より、コーヒーに含まれる成分の一部には気管支拡張作用があり、喘息の発症を28%下げたというデータもあります」(同前)

 加湿用に濡れタオルをかけ、悪寒対策にはヒートテックの敷パッドを敷いた。

療養解除後に都から配食が

「加湿が目的なら濡れタオルでは不十分。加湿器を置く以外ではマスクも効果があります。悪寒がひどい時はパジャマの上に追加で着る、または毛布を増やすのも効果的です」(堀氏)

堀氏

 処方された痛み止めを使用していたが、しばらくは、水を飲むだけで喉に激痛が走った。市販薬を使ってもよかったのか。

「痛みが取れなかったら、市販薬のロキソニンなどを使ってもいい。ただ、最低6時間は間隔を空けること。薬がなくなりそうでしたら、受診した病院に連絡すれば、薬局が配送してくれることもあります」(大谷氏)

 最も「失敗だった」と感じたのが、食料の備蓄がなかったことだ。区から食料が届いたのは療養開始の3日後。都から配食が届いたのは、療養解除の翌日だった。

療養解除後に都から届いた食料

「喉を通りやすい飲むゼリーやインスタントのスープを用意しておく。よく食べられる人は回復も早い傾向にある。スポーツドリンクなどの水分も必要です。感染し安静がすぎると血栓などの問題もあるため、十分な水分をとって簡単な運動をお勧めしています」(堀氏)

 いざ療養解除後に、すべきことは何か。例えば、療養時に着た服や部屋の掃除は?

「通常の洗剤と洗濯機での洗濯で問題ありません。よく触れるものについては、消毒液でなくても洗剤での拭き掃除でも感染対策の効果があります」(同前)

 3回目のワクチンを接種する必要はあるのか。

「感染直後は抗体量が増えますが、再感染を防ぐほどではない。接種は必要です。ただ、すぐに打つと副反応が強く出て、後遺症と見分けがつかなくなることもある。療養解除後、1カ月から1カ月半ほど間隔を空けるのがお勧めです」(大谷氏)

 人によっては済ませておいた方がいい手続きもある。

「加入している保険によっては、給付金が支払われるケースも。また、職場で発生したクラスターによって感染した場合、労災申請が通ることもある」(堀氏)

 療養中、気になっていたのが、自分が感染したのがオミクロン株かどうかということ。そこで解除後に病院にPCR検査の結果を貰いに行った。するとS遺伝子を「検出せず」とある。どういうことかというと、

「デルタではS遺伝子が検出されますが、オミクロンでは検出されない」(担当医)

「デルタではない」ことは判明

 現在、日本で流行る変異株はデルタかオミクロンなので、デルタでなければ恐らくオミクロンということ。さらにゲノム解析をすれば正確に判定は出来る。ただ感染者が増えたいま、一人ひとり分析するには手間もお金もかかるので、そこまで出来ないのが実情だ。

 検査結果の表を眺め、改めてオミクロンの流行を実感させられたのだった。

source : 週刊文春 2022年2月3日号

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