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西銘恒三郎沖縄相に大臣規範違反 消えた“お友達株”

「週刊文春」編集部
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岸田政権で初入閣を果たした西銘恒三郎沖縄北方相(67)。9月の沖縄県知事選でも玉城デニー知事の対抗馬として、擁立が取り沙汰される中……。

父は元沖縄県知事、茂木派で当選6回

 地元政界関係者が言う。

「西銘氏は、那覇市の鶏卵販売会社『前田鶏卵』の株式を持ちながら公表していません。同社は、公私にわたり西銘氏を支援してきた“お友達企業”です」

 確かに、昨年12月に公表された西銘氏の「閣僚資産公開」によれば、前田鶏卵株の保有は報告されていない。西銘氏が同社の株式を保有していれば、閣僚とその家族が持つ株式などの公開を定めた大臣規範に違反することになる。

前田鶏卵のホームページ

 前田鶏卵の前田睦己社長に話を聞いた。西銘氏とは40年来の仲だという。

「81年頃、沖縄振興開発金融公庫に勤めていた西銘さんと草野球で知り合いました。私が捕手で西銘さんはサード。その後私は、西銘さんが会長の『日曜友の会』という模合(もあい)(沖縄独自の互助会)で幹事も務めました。30年以上、県内のホテルで忘年会を開いていて、去年は大臣就任直後なのに夫婦で来てくれた。沖縄県議選に初出馬した時(88年)は、『友の会』のメンバーの寄付が合計300万円ほど集まりました」

 そして――。株についてもこう認めるのだった。

「96年に50万円分の株を買ってもらった。配当はないですが、保有し続けてもらっています」

 03年の衆院選で国政に転じた西銘氏。この間、前田氏の母親による行商から始まった前田鶏卵も、売上高10億円超の鶏卵販売会社へと大きな成長を遂げた。

 だが、「数年ごとにピンチがくる」(同前)という同社はコロナ禍を受け、昨年1月に2億円のセーフティネット資金の融資を受けている。融資を実行したのは、西銘氏がかつて勤務した沖縄振興開発金融公庫だ。

「沖縄の中小企業向けの融資を担う沖縄公庫は、今年度以降、日本政策金融公庫に統合される方針でした。ただ、同公庫の融資要件は幅広く、統合を望まない声が強かった。要請を受けた西銘氏は『強い決意で調整に臨む』と語り、岸田首相に了解を得て存続が決まったのです」(地元記者)

 前田氏もこう評価する。

「公庫の存続は大臣として尽力して、沖縄の関連予算も増やしてくれた。今後も公庫との関係は大事にしたい」

資産公開の株式欄は空白

 最近も平井卓也デジタル相(当時)が、デジタル庁関連の事業を受注した親密企業グループの株式保有を公開せず、問題になった。西銘氏は、消えた“お友達株”についてどう答えるのか。

「西銘は『株は返したと思う』と言っていましたが、前田社長に連絡したら、額面で50万円分保有していた。前田社長は西銘を議員にした一人ですが、お付き合いの形で持っていただけ。訂正します」(秘書)

 政治家の資産公開に詳しい九州大学の斎藤文男名誉教授が指摘する。

「大臣規範はリクルート事件の反省を機に、どんなに少額でも株の保有や取引を巡って不正が起きないように大臣同士が申し合わせた約束事。単なる記載漏れと矮小化してはなりません」

“なんくるないさ〜”とは、いかないさ〜。

source : 週刊文春 2022年2月3日号

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