「昨日の夜9時くらい、息子が『タイヤが破裂したようなパァンって音が聞こえた』って言ってたんです。そうしたら、息子の友達から『お前んちの近くで立てこもり事件があったらしいけど大丈夫か?』ってLINEが来て。まさかこんな事件が起こるとは……」(近くに住む女性)

 夜の静寂に鋭い銃声が——。

 1月27日午後9時頃、埼玉県ふじみ野市の住宅で、散弾銃を持った男が医師を人質に取り立てこもるという事件が発生した。近隣住民の通報を受け、すぐに埼玉県警が出動。夜を徹して説得と交渉を続けた末、発生から約11時間が経過した28日午前8時頃に住宅内に突入。この家に住む渡邊宏容疑者(66)を、人質にとっていた医師に散弾銃を撃った殺人未遂容疑で逮捕した。

「人質になって撃たれたのは、富士見市内でクリニックを経営する医師・鈴木純一さん(44)。捜査関係者によると、鈴木さんは自身のクリニック関係者7人と共に26日に死亡した渡邊容疑者の92歳の母親の弔問に訪れていました。その際に襲われたと見られています。撃たれたのは、鈴木さんと理学療法士の男性の2人です」(社会部記者)

 撃たれた2人は病院に搬送されたが、鈴木さんは死亡。理学療法士の男性も重傷だという。

 現場は、東武東上線・ふじみ野駅から車で約10分の閑静な住宅街。その時、何が起こっていたのか。

撃たれた人が誰かの名前を何度も叫び…

 28日午後1時頃に事件現場に赴くと、容疑者宅の周りには広範囲にわたり綿密に規制線が張られていた。すぐ近くには小学校がある。日用品などの買い出しができるショッピングモールまではかなり歩かないと行けない。交通量の多い大通りが近くにあるのだが、“孤絶した住宅街”という印象を受ける。

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source : 週刊文春