複数の男性が楽しそうに笑顔を見せるこちらの集合写真。派手なハットを被り、ひときわ破顔した中央の男性が抱えるファッションブランドの紙袋はプレゼントだろうか。目を引く大きなバースデーケーキと、テーブルには複数のワイングラス。楽しげな様子が写真越しでも伝わってくる。
ある飲食店関係者が嘆息する。
「最初にこの写真を見た時は本当にビックリしました。まん延防止等重点措置が再び発令され、飲食業界が苦境に陥っている中、トップが呑気に“お誕生日会”を開いていたなんて……」
中央の男性は、居酒屋チェーン「串カツ田中」を運営する「串カツ田中ホールディングス」の代表取締役社長・貫啓二(ぬき けいじ)氏。東京都の新型コロナウイルス新規感染者が1万4086人を数えた1月26日、51歳の誕生日を翌日に控えた貫氏は、仲間たちから自身の誕生日を手厚く祝福されていたのだ。
気が置けない友人たちとの誕生日会——。平時であれば、誰に咎められることもない、微笑ましい一コマだろう。だが、貫氏の誕生日会が開かれた1月26日は飲食業界にとって“有事”の真っ只中であり、貫氏は自身が経営する「串カツ田中」を“緊急体制”にシフトさせた最中だったということである。
2021年8月期には約13億円の「時短協力金」収入が
新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大を受け、政府は1月19日、東京や神奈川など首都圏を含む13都県に1月21日から2月13日までまん延防止等重点措置の適用を決定した。その後、対象地域が追加され、1月31日現在、34都道府県に「まん防」が適用されている。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル