今国会での2月下旬の法案提出に向け、山場を迎えている岸田政権の目玉政策「経済安保」。だが法案の調整で日々忙しいはずの当の官僚のトップは、毎週末塾の講師のバイトに勤しみ、さらにその足で女性のマンションへ――。
1月29日の午前9時前、東京駅に直結するサピアタワーに一人の中年男性が現れた。明るい茶色のウールコートに、黄色のマフラーを身に着けたイケおじ風のファッション。土曜日の朝ということもあり、ビルは閑散としている。
男性はカンファレンスルームのスケジュールが記された「施設ご利用情報」を確認すると、エレベーターに飛び乗る。その時間に行われていたのは、「不識塾」のみだ。
16時30分、「塾」を終えてエレベーターから降りてきた男性は、慣れた足取りで東京駅の構内を抜け、八重洲南口にあるバス停に向かった。目当てのバスが停まっているのを確認すると、小走りでバスに乗る。
向かった先は中央区月島。もんじゃ焼きが名物で、商店街など下町風情が残る人気のエリアだ。バスを降りた男性はスマホの地図を見ながら歩き、川沿いの高級マンションの入口へと吸い込まれていった。
夕食時だったが一歩も外に出ることなく、部屋の中でゆっくり過ごしたのだろう。男性が出てきたのは23時40分。ロビーには見送りに来た、ラフな格好をした女性の姿も見える。
男性は迎車のタクシーに乗り込むと、世田谷区方面に向かった。彼の自宅の白い瀟洒な一軒家には電気がついていて、そこには帰りを待つ家族が――。
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source : 週刊文春 2022年2月17日号