久しぶりに小泉進次郎前環境相(40)に関するニュースが報じられた。自民党神奈川県連の次期会長就任が有力になったという。
2月21日まで立候補を受け付けるが、現状小泉氏以外に出馬の動きはなく無投票で選出されそうだ。
「かつては総理候補と呼ばれ一挙手一投足が注目された小泉氏だが、久々のニュースが県連会長とは凋落が激しい」(政治部記者)
読売新聞オンラインは県連会長選について「立候補を届け出た一人を県内選出の国会議員と県議が連名で推薦することが慣例」と書いているが、実は18年前、慣例を無視した「神奈川戦争」があった。昨年の総裁選の構図にも影響した大物同士の衝突だった。
2004年夏。県連会長の任期を終えようとしていた甘利明氏に対し、県議らが「次の県知事選対策もある。あなたでなければできない課題に道筋をつけて欲しい」と続投を要請。既定路線となったが、そこに突如、名乗りを上げたのが河野太郎氏だった。自民党の県連会長ポストが選挙戦にもつれ込むのは“全国初”とされ、注目が集まる中、神奈川選出の小泉純一郎首相(当時)が率いる自民党本部は「当選七回の甘利さんが三回生の河野なんて相手にするのは馬鹿馬鹿しい」と説得し、甘利氏は再選出馬を見送ろうとする。だが県議らは「パフォーマンスばかりで泥をかぶらない」と河野氏の就任を強く嫌悪した。しばらく膠着状態が続いた後、一歩も退かない河野氏に呆れた甘利氏が撤退。河野氏が会長に就いたのだ。
「以来、甘利氏と河野氏は犬猿の仲。今に至るも関係修復に至っていない」(地元記者)。甘利氏の父・正氏は、河野氏の父・洋平氏が立ち上げた新自由クラブに所属する同志だったが、息子同士は仇敵になった。
昨年の総裁選で河野氏は所属する麻生派の支援取り付けに動いたが、同派重鎮の甘利氏はいち早く岸田文雄氏の支援を表明し、派を挙げての河野氏支援に猛反対した。結果、岸田首相のもとで甘利氏は幹事長を、同じ神奈川選出で甘利氏の側近の田中和徳氏が幹事長代理を、右腕の山際大志郎氏が経済再生担当相を射止め、河野氏や同氏を支援した小泉氏、菅義偉氏は冷や飯を食わされることになった。総裁選はまさに神奈川政局でもあったのだ。
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source : 週刊文春 2022年2月24日号