「週刊文春」は2月10日発売号で、NTTが子会社のNTTドコモ社員に対し、“大幅賃下げ”を提案している実態を報じた。今回、小誌が新たに入手した内部資料によれば、NTTが、NTTグループの主要各社にも“賃下げ”を提案を出していることがわかった。
NTT労働組合は今年1月、グループ主要各社向けに、会社側の提案内容をまとめた「『人事・人材育成・処遇等の見直し(三次提案)』『住宅関連施策の見直し』について」と題する文書を作成。この内容をもとに、NTT東日本に勤務する30代半ばの男性社員が説明する。
「まず、満額1万6200円の『外勤手当』や昼食費用の『サポート手当』3500円が廃止に。この上で、ベースとなる『資格賃金』や、在職期間の評価に基づいた『加給』の分などが、『グレード賃金』という新たな賃金体系に圧縮されます。私の場合、月約26万円あったこの部分の賃金が1万円から3万円以上、下がる計算になる。また新入社員でも最低8000円あった毎年の昇給も9000円、6000円、ゼロの三段階に分けられます。昇給にあたっての評価法は相対評価から絶対評価に変わりますが、その基準も不透明なので不安です」
中でも大打撃なのが、住宅補助の見直しだ。
「これまで賃貸居住者の住宅補助は45歳まで、年額44万4000円支給されていましたが、支給の定年が35歳まで引き下げられます。会社側は『グループでは32、33歳の住宅購入割合が最も多い』ためとしているが、地方に比べて都市部では購入の時期も遅く、周囲でも30代半ばで持ち家のない人は多い。700万円台半ばの年収が実質1割近く減るイメージです」(同前)
また、子ども一人当たり1万2000円の「子ども手当」を創設する一方で、パートナーに1万9300円、満60歳以上の親に1万1500円(2人なら1万9000円)支給されていた扶養手当も廃止される。NTT本社に勤務する40代男性社員が語る。
「毎月数千円の組合費を払うのが馬鹿らしくなります」
「こうした福利厚生の手厚さが魅力の会社だったのに……。労組も“徹底抗戦”の構えが見えず、毎月数千円の組合費を払うのが馬鹿らしくなります」
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source : 週刊文春 2022年2月24日号