「サトベンが麻生派を離脱する」。そんなニュースが永田町を賑わせている。佐藤勉・前自民党総務会長(69)のことだ。同氏に近い御法川信英国対委員長代理や阿部俊子衆院議員も同調するとみられ、安倍派に次ぐ第2派閥だった麻生派は、53人の同数で並ぶ茂木派を下回り、第3派閥に転落することになる。
離脱の背景には、「麻生太郎副総裁の精神安定剤」と評される松本純元国家公安委員長の復権がある。松本氏はコロナ禍の緊急事態宣言下、銀座のクラブで飲食。麻生氏は役職停止にとどめようとしたが、世論の批判はやまず、松本氏は離党を強いられ昨秋の衆院選で落選した。だが今年に入って復党が認められ、麻生派に特別会員として復帰し副総裁特別補佐に就任。
「佐藤氏が怒るのは当然。松本氏を離党させるよう声高に主張したのが、当時、党総務会長だった佐藤氏。復権でメンツが完全に潰された」(自民党関係者)
一見、怒りにまかせた離脱のようだが、実は計算ずくとの見方が強い。世間的には知名度が今一つだが、永田町では菅義偉前首相に極めて近い「策士」で知られる佐藤氏を信奉する議員は少なくない。菅政権誕生から間もないころ。関係の深かった故・竹下亘元国対委員長と「スガちゃんの後は、小渕優子を首相にしよう」と意気投合。佐藤氏は周囲に「将来麻生派を抜けてもいいが、小渕政権に向けて派内にシンパを作りたい。そのためには幹事長に就きたい」と意欲を示していた。その後、麻生派内で力を持つ松本氏を放逐、菅政権の終盤には、国民民主党を連立政権に組み入れようと玉木雄一郎代表と接触を重ねるなど、幹事長ポストへの布石を打ち続けた。
昨年の総裁選では菅氏と共に河野太郎氏を支援し、派閥幹部の多くが岸田氏を支援する中、麻生派の“分断”に成功した。
「策士の佐藤氏のことだから、今回も、将来の政局で麻生派を割る算段がついたからこそ、まずは少人数での離脱に踏み切ったのでは」(政治部デスク)
父も祖父も県議で、自らも県議を経て44歳で国政へ。長男も県議で、次男は父の秘書を務めている。
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source : 週刊文春 2022年3月3日号