20日に閉幕した北京五輪。IOCのバッハ会長は「素晴らしい運営」と絶賛したが、中国の運営する“鉄壁バブル”内ではメディアから不満が噴出していた。
今回は東京五輪より厳格な、クローズド・ループというバブル方式を採用。全会場が壁に囲まれ、バブル外を移動するバスの窓すら開けられないほど。外に出られない代わりに、「さぞ良いサポートを受けられるはず」と、期待を膨らませた関係者も多かったが――。
「最も不満が多かったのは食事。選手村は好評だったが、メディアは会場かホテルの食堂しか選択肢がない。中国の通常価格の3倍以上と高額なのに味は微妙。中国記者も『高いし不味い』と嘆いていた」(全国紙記者)
ホテルは例えば、ルー少なめのカレーが140元(約2500円)、薄いツナサンド88元(約1600円)。さらに10〜20%のサービス料もかかる。メインメディアセンターの食堂は炒飯40元(約720円)、牛肉麺55元(約1000円)と良心的だが、「味が薄い」「カップ麺の方がマシ」との声も。自動で調理・配膳を行うロボットも、注目されたのは最初だけだった。
移動に苦労した記者も多い。北京・延慶・張家口の3会場を結ぶ、最高時速350キロの高速鉄道は終電が午後8〜10時と早く、夜遅い競技の取材後は“帰宅難民”が続出した。
「夜のスキージャンプ取材を終え、張家口の駅に出発2分前に着いたら、『入場は5分前まで!』と駅員に怒鳴られた。海外記者も『目の前の電車になぜ乗れない』と怒っていた。バスもあるが北京まで約4時間。ホテルに着いたら朝5時だった人も」(別の全国紙記者)
会場近くにホテルもあるが、1泊2000元(約3万6300円)はざら。諦めてメディアセンターで雑魚寝する記者も多かった。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます
キャンペーン終了まで
-
月額プラン
1カ月更新
2,200円/月
初回登録は初月300円
-
年額プラン
22,000円一括払い・1年更新
1,833円/月
-
3年プラン
59,400円一括払い、3年更新
1,650円/月
オススメ!期間限定
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
有料会員になると…
世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!
- スクープ記事をいち早く読める
- 電子版オリジナル記事が読める
- 解説番組が視聴できる
- 会員限定ニュースレターが読める
source : 週刊文春 2022年3月3日号