世界中が注視する中、ウクライナにためらうことなく侵攻したプーチン大統領。日本のリーダーと何度も会談し、柔道への愛を語る親日家の“皇帝”だが、その履歴書を紐解くと、多くのウソと謀略、殺戮の歴史に満ちていた。
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「2年前と同じ人物ではなかった。頑なになり、孤立していた」
2月7日、危機回避のためモスクワに飛んだフランスのマクロン大統領は、帰りの機中で同行記者団にこう漏らした。変わり果てたプーチン大統領を前に、二回り下の若きリーダーができることは最早なかった。
半月後の2月24日、ロシア軍がウクライナ各地で攻撃を開始した。産経新聞前モスクワ支局長の遠藤良介氏が語る。
「もしプーチンに少しでも合理性が残っているなら、兄弟民族であるウクライナ人との全面戦争など始めるはずがない――それがロシア研究者や記者の共通見解でした。侵攻開始で、今のプーチンには理性のひとかけらも残っていないことが証明されてしまいました」
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source : 週刊文春 2022年3月10日号