3月7日、東京都では新規感染者数が48日ぶりに5000人台に下がった。
だが、1週間平均で見れば約1万400人。1週前の約850人減にとどまるという、ジリジリする状況が続いている。
これまで日本の新規感染者数は、増加の局面と減少の局面、おおむね対称的なカーブを描いてきた。しかし第6波ではピークを打った後の下がり方が明らかに鈍い。それはなぜか。五つの要因を検証する。
昨年夏の第5波の際は、ピークの1カ月後には新規感染者数は1割以下に減っていた。一方、第6波では全国の新規感染者のピークは2月1日の約10万2000人。それからひと月以上が経過したが、約6万1000人(3月7日までの1週間平均)と、半減に届いていない。
特に沖縄は、782人(同前)と、前週より166人増えた。沖縄県感染症対策課の担当者はこう分析する。
「飲食店の時短営業が解除された影響で、2月21日からの1週間で、都市部の滞留人口が10%ほど増えました。人流の影響があると思います」
1 オミクロン株の感染力の高さ
感染者がこれまでのように減っていかない理由のひとつとして、オミクロン株の感染力の高さが指摘されている。米国疾病管理センター(CDC)はオミクロン株(BA.1)の感染力はデルタ株の約3倍と推計している。
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source : 週刊文春 2022年3月17日号