昨年4月に三菱UFJフィナンシャル・グループ会長を退き、現在は銀行特別顧問の平野信行氏(70)。経団連でも副会長の立場にあるが、その行動が最近、財界で話題になっている。
「平野さんは経団連の会合には、銀行の社用車を使わずタクシーで来ている。聞いてみると、15年に購入した都内の自宅から銀行へも電車で通っているようなんだ」(財界関係者)
一体なぜ?
平野氏と言えば、“三菱UFJのドン”として、長年、同行に君臨してきた。
「リーマンショックに揺れた08年、モルガン・スタンレーへの出資を実務で取り仕切ったのが、当時専務だった平野氏です。12年に銀行頭取、13年にFG社長に就任しました。世界的な金融グループを目指すために行名から三菱を外し、MUFG銀行に変えようとしたのも平野氏。三菱OBとの間で板挟みになった当時の小山田隆頭取が体調を崩し、退任する事態にもなりました」(銀行関係者)
大物バンカーだけあって、頭取人事にも強い影響力を持ってきた。
「半沢淳一氏がライバルに競り勝ち、頭取に就任できたのは、平野氏からの評価が高かったことも背景にあります」(同前)
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source : 週刊文春 2022年3月31日号