戦争開始から約1カ月。日本国内のロシア料理店もまた厳しい視線が注がれている。逆風の中、強い覚悟で営業する彼ら。その信念に迫る――。
(新型コロナウイルスの影響で営業時間、定休日が変更になる場合があります。)

マトリョーシカ(Матрёшка)|難民をお店に迎えて、共に生活できる空間へ

撮影 杉山拓也

「ロシアの別荘“ダーチャ”のような空間を日本で作りたかったんです。ロシア人には週末を近郊の“ダーチャ”で家族とゆっくり過ごす文化があります。ただのレストランではなく、ロシアを感じながら一息つける場所にしたいと思っています。室内を緑色多めで、全体的にウッド調にしました」

 店内を見渡しながら楽し気にそう話すアナスタシアさん(40/左)は、ハバロフスク市の出身で20年前に来日。娘のダイアナさん(20)とともに4年前に『マトリョーシカ』をオープンさせた。

「ネイリストの資格を持っているので、ネイル店を出そうとしたら友人に、『ロシア人でなくてもできる』と言われて。千葉県にはロシア料理店が一つもなかったので、それならロシアの家庭料理の店を作ろうと思ったんです。看板メニューはボルシチ、ピロシキ、ビーフストロガノフです」(同前)

 そんな彼女たちが今、取り組もうとしていることがあるという。ダイアナさんが明かす。

「私の親戚にもウクライナ人がいますが、戦争で困っている人が多い。そういった難民などの方々を日本に招こうと考えているんです。このお店で一緒に料理を作りながら、生活していける空間を提供できればと考えています」

千葉県千葉市中央区登戸1-22-1 千葉ビル 2F

☎043-307-8486

(営)11:00〜15:00 17:00〜22:00 

(休)無

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source : 週刊文春 2022年4月14日号