新型コロナウイルスは感染者だけでなく、陰謀論者も急増させているようだ。
ワクチンに反対して接種会場に無断で侵入したとして、警視庁公安部は思想団体「神真都(やまと)Q」のメンバーとみられる4人を4月7日、建造物侵入容疑で逮捕。9日には、東京都内にある本部などを家宅捜索した。

警視庁担当記者が言う。
「『コロナは存在しない』『マスクは害』などとする反ワクチン・反マスク論を軸に“信者”を集め、各地で接種に反対するデモ活動をノーマスクで行っていました。3月15日には東京ドームの接種会場で『中身も判らないのに何を打とうとしているんだ!』と叫ぶなどして、警察官とやり合っていた。当局も警戒を強めており、とうとう逮捕者が出たという経緯です」
結成は昨年末とされ、東京ドームで揉み合った3月15日には一般社団法人として登記された。法人登記簿の目的欄には「子どもの健全育成」や「社会貢献活動」などと書かれているが、一体、どんな面々が集まっているのか。
「リーダー格は、東京ドームで白いパナマ帽姿で声を張り上げていた元俳優です。ヤクザ映画などで活躍した俳優の息子で、以前、映画プロデューサーを刺したとして殺人未遂容疑で逮捕されたこともある。周辺には右翼団体の関係者なども出入りしています」(同前)
神真都Qは「Q」の文字が入っているように、昨年1月に米国議会を占拠した陰謀論集団「Qアノン」の亜流団体。HPでは〈善なる光のQ活動を健全に行うものと宣言します〉と掲げ、トランプ前大統領が「悪の権化イルミナティ、サタニスト」から世界を守ってきたなどと主張している。
宗教ウォッチャーの解説。
「光の勢力が闇の勢力に支配された世界を覆す、という主張は現代カルトの典型の一つである二元論。地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教と同じです」
一方で、法律の観点から神真都Qを側面支援している人物もいる。
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source : 週刊文春 2022年4月21日号