「北朝鮮が弾道ミサイルを発射した当日の行動としてあまりに軽率と言わざるを得ません。自衛官がこんなことでいいのか……。正直、情けない思いです」

 匿名を条件にそう明かすのは、ある防衛省関係者。国防の現場で、一体何が起こっているのか――。

 ロシアによるウクライナ侵攻が注目される中、東アジア情勢も緊迫している。とりわけ活発化しているのが、北朝鮮の動きだ。

 2022年に入り、北朝鮮はミサイル発射実験を13回も行っている(4月18日時点)。4月17日、北朝鮮の国営メディアは「新型戦術誘導兵器」という名前のミサイルの発射実験に成功したと報道。金正恩総書記も参観したと伝えている。

 いつ日本海に向けて発射されるかわからない北朝鮮のミサイル。日本の国防を担う自衛隊は日夜、対応に当たっており、海上自衛隊は4月15日にはイージス艦「こんごう」が日本海で米海軍との訓練を実施。警戒を強化している。

 ところが――。

 遡ること約1カ月前の3月16日。韓国軍の合同参謀本部が「午前9時30分頃に北朝鮮が弾道ミサイルを発射した」と発表。日本列島に緊張が走った。その後、「ミサイルは正常に飛翔せず、打ち上げは失敗した」と判明。だが、北朝鮮のミサイル発射実験の明らかな急増傾向に、関係者たちは神経をとがらせていた。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル