首相に直談判、2度の落選 ライフ清水信次 96歳の引退

THIS WEEK「経済」

森岡 英樹
ニュース 経済

 スーパー「ライフ」を創業したライフコーポレーションの清水信次名誉会長が5月26日、取締役を退任した。御年96。本人から「一つの役目を終えた」と申し出があったという。

「ライフは、関東や近畿を中心に約300店舗を擁します。売上高は約7600億円。地域特性に応じた店舗展開と、多様なPB商品が特徴です」(経済部記者)

昨年まで64年間、代表権を持ち続けた

 ダイエーの中内㓛氏(故人)らとともに、日本の流通業界を牽引してきた清水氏。1926年、三重県津市で生まれた。

「44年に応召し、配属されたのは、“陸軍版・神風特攻隊”。九十九里浜で、上陸する米軍に肉弾攻撃をかける部隊です。清水氏は『出撃命令は出ていたのですが、8月15日の終戦の詔で救われた』などと語っていました」(同前)

 戦後は闇市で食料品を売る日々。転機は50年の朝鮮戦争だ。GHQと直談判し、“横流し物資”を大量に購入したのだ。この時の様子をNHKスペシャルでこう振り返っている。

「マッカーサーには政商がついていた。そこに行って、どなたか日本語が分かる人はいませんかとやった。現金じゃないと取引しませんというので、トランクに詰めた現金を見せて、ね」

 GHQ内部に知己を得た清水氏は、パイナップルやバナナの輸入に乗り出す。今も「パインちゃん」との愛称で呼ばれる由縁だ。台湾のバナナ貿易商で蓮舫氏の父・謝哲信氏とは、この時代に知り合ったという。

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source : 週刊文春 2022年6月9日号

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