昭和のエロ本に令和の警視庁がノーを突きつけた。
警視庁保安課は5月27日、わいせつな写真誌を販売目的で持っていたなどとして、古書店大手「まんだらけ」の辻中雄二郎社長(50)ら5人を、わいせつ図画有償頒布目的所持などの疑いで書類送検した。
警視庁担当記者の話。
「違法認定されたのは、アダルト写真が満載のビニール本、通称“ビニ本”約400冊です。まんだらけでは2010年頃からビニ本を扱い始め、1冊10円から5000円程度で買い取り、年600冊ほど売っていた。売上は十数年間で約1400万円に上ったそうです。辻中氏は『芸術としてのエロスと捉えて売っていた。長年取り扱ううちにこれくらいは大丈夫と思っていた』などと容疑を認めています」
ビニ本は、1970〜80年代に流行したアダルト写真誌で、多くは数十ページ程度。書店での立ち読みを防ぐため、ビニールで包装されて販売されていたことから、そう呼ばれるようになった。サブカルに詳しい関係者が語る。
「当時は現在と異なり、警察がヘアヌードを厳しく取り締まっていた時代。そんな中、下着からうっすら陰毛を覗かせるなど、あの手この手で“ギリギリ”を狙っていました。その後、より過激なアダルトビデオなどが登場し、ビニ本は次第に廃れていきます。それでも、一部のマニアには根強い人気を誇ってきた。流通店舗が限られていることもあり、“美人モデル”の名前を冠した『〇〇〇写真集』や保存状態の良いビニ本であれば、数万円で取引される例もあります」
そんなビニ本に目をつけたのが、まんだらけだった。87年設立の同社はマンガ専門古書店の先駆けで、中野ブロードウェイに本店を置く。年間売上高は約96億円で、東証スタンダード市場にも上場。だが昨年10月に、病院の近くでアダルトショップを営業していたとして、風営法違反(禁止区域営業)の疑いで法人としての同社と役員男性が書類送検されている。今回はそれに続く摘発だった。
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source : 週刊文春 2022年6月9日号