★特集記事を読む

 5月27日午後3時前、観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が作業船に載せられ、網走港に到着した。港は波しぶきが立つほど強風が吹き、船体を覆うブルーシートは激しくなびいていた。

撮影 吉田暁史

 知床沖で沈没してから34日。曳航中の海底落下など、幾多の障壁を乗り越え、ようやく港へと引き上げられたのである。

 ほぼ完全な形で船体が見つかったものの、事故原因の特定は困難を極めるという。日本水難救済会常務理事・遠山純司氏が解説する。

「船体にある複数の傷の中から、沈没の原因となった傷を特定するのは、かなり難しい。また、エンジンの故障がいつ発生したのかを調べるのにも、膨大な時間がかかります。今後、再現実験や専門家による鑑定があるかもしれませんが、半年から1年くらいを要するものと思われます」

撮影 吉田暁史

 目撃者がいない中、船内の遺留品が頼みの綱だという。

「船はビデオプロッタを搭載していなかったので、事故原因特定に繋がる航跡が分からない。ただし、もし遺留品の中でGPS機能付きのタブレット等があれば、航跡が判明するかもしれません。また、写真や動画に沈没までのプロセスが記録されていれば、事故原因特定の補強資料となる可能性もあります」(同前)

初回登録は初月300円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます

週刊文春電子版に超おトクな3年プラン59,400円が登場!月額プラン36ヵ月分と比べて19,800円、年額プラン3年分と比べて6,600円おトク!期間限定12月2日(月)まで!

キャンペーン終了まで

  • 月額プラン

    1カ月更新

    2,200円/月

    初回登録は初月300円

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

  • 3年プラン

    59,400円一括払い、3年更新

    1,650円/月

    オススメ!期間限定

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る
  • 0

  • 0

  • 0

source : 週刊文春 2022年6月9日号