戦況の悪化や重病説など、目指す2036年までの留任が夢と消えそうなプーチン大統領。写真は、これまでその名が取り沙汰されてきた次なる“候補者”たちである。いま、最高指導者の座に最も近いのは誰なのか。ロシアNIS経済研究所の服部倫卓所長が話す。

「実務能力ではミシュスチン首相かソビャーニン・モスクワ市長です。ミシュスチン氏は国民の評判も良く、ソビャーニン氏は首都の交通網発展で成功を収めている」

ミハイル・ミシュスチン(首相)
セルゲイ・ソビャーニン(モスクワ市長)

 一方、軍の最高司令官としての能力も必要。そこで有力なのがトゥーラ州のデューミン知事だ。

「プーチンのボディーガードから引き立てられ、軍に所属したことがある。49歳と若く指導力もあり、今のロシアに求められている大統領像と合致します」(同前)

アレクセイ・デューミン(トゥーラ州知事)

 一方、筑波大学名誉教授の中村逸郎氏は別の人物を挙げる。

「戦勝記念パレードでプーチン氏と並んで歩いた36歳の大統領府職員・コバリョフ氏です。ロシアメディアに『彼は誰だ』と一斉に取り上げられた光景は、プーチン氏の就任時と重なります。いずれにせよ、次の大統領はプーチン氏が指名することになるでしょう」

ドミトリー・コバリョフ(大統領府職員)

 国際的に孤立し、経済状況も最悪なロシア。次の指導者は間違いなく前途多難であろう。ロシアンルーレットならぬ“プーチンルーレット”で引き当てられるのは――。

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source : 週刊文春 2022年6月9日号