“選挙博士”と呼ばれる細田博之衆院議長。
その細田氏が、昨年の衆院選で地元議員らを買収していた。
公選法違反の証拠は、公文書にしっかり残っていた――。
風光明媚な宍道湖の湖岸が街一帯に広がる、島根県松江市。衆院選公示日だった昨年10月19日、1区を地盤とする男の第一声が県庁前に響きわたった。
これまで10期連続当選を果たしてきた自民党候補。保守王国・島根で盤石の戦いだったはずだが、この時は意気込みが違ったという。
「全国の応援演説の合間を縫って地元入りし、例年よりも細かく挨拶回りをしていました。対立候補だった立憲民主党・亀井亜紀子氏は、前回17年の衆院選で比例復活している。昨年の衆院選では、彼女の比例復活を許さないほど大差で勝つことを目標としていました」(陣営関係者)
なぜ、そこまでの圧勝を期していたのか。官房長官や幹事長など要職を歴任してきた男は、栄誉あるポストを目前にしていた。大島理森衆院議長(当時)が国政引退を表明していたことから、次期議長の最有力候補と見られていたのだ。
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source : 週刊文春 2022年6月16日号