第三極の寵児の寂しき引退劇 渡辺喜美が壊した“みんなの夢”

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「週刊文春」編集部
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 元みんなの党代表の渡辺喜美参院議員(70)が6月21日、政界引退を表明した。任期満了を迎える無所属の渡辺氏は、比例区での出馬を目指したが、かつての「第三極」の寵児に救いの手をさしのべる党はなかった。引退会見もなく、自身のフェイスブックに「第三極を作るもくろみは終了した」と投稿しただけ。

「もくろみの終了ではなく、みんなから見放された。権力にすり寄った第三極の必然的な末路だ」(政治部記者)

恐妻家としても有名だった

 安倍晋三首相(当時)のもと、第一次政権では公務員制度改革担当相に就任。「脱官僚」の旗を振った霞が関改革を当の官僚たちに潰された屈辱は相当のものだった。2009年衆院選の直前に自民党を離党し、「官僚依存の自民、労組依存の民主とは違い、真の改革ができるのは我々だ」と5人でみんなの党を結党。着実に勢力を伸ばし、13年参院選後は衆参36人を率いる党首に。

 しかし、絶頂期にこそ落とし穴がある。安倍氏との酒席を契機に、特定秘密保護法案の修正協議を始めたが、政権に近づく渡辺氏の対応に意見は割れ、党は分裂した。

「第三極は党の基盤が弱く、勢いをなくせば加速度的に転落する」(前出・記者)

 その宿命通り、14年には化粧品会社DHCの会長から8億円を借り入れていた問題が発覚し、党代表の座を追われ、党も解党。無所属で臨んだ同年の衆院選で落選した。16年参院選で、おおさか維新の会公認で比例区から国政復帰。だが、維新のひさしを借りたというのに、17年の東京都議選では小池百合子都知事の都民ファーストを支援し、維新を除名に。希望の党への参画を狙ったが、みんなの党の元同僚から「彼だけは絶対ダメ」と嫌われ、「排除の論理」に遭った。

 結局、永田町に手を携える仲間は誰もいなくなり、19年にはNHKから国民を守る党(当時)の立花孝志代表と共同会見を開いて参院の院内会派「みんなの党」を結成するに至った。

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source : 週刊文春 2022年7月7日号

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