小池百合子東京都知事(69)と同じ大きさの顔写真を掲げ、どちらが候補者かわからない選挙カーで駆け回るのは、東京選挙区から出馬の荒木千陽(ちはる)・ファーストの会代表(40)である。
荒木氏は、小池氏の秘書を6年務めた後、2017年7月に都議、同年9月には都民ファーストの会代表に。さらに昨年、国政進出のために設立された「ファーストの会」代表に就任。今回が国政初挑戦だ。後押ししたのはもちろん小池氏。
「二階俊博氏が自民党幹事長だった頃は、小池氏は政権とのパイプがあったが、岸田政権に代わってそれが途絶えた。側近の荒木氏を国政に送り込む事で、小池氏の国政復帰というカードをちらつかせようという狙いです」(都民ファ関係者)
荒木陣営を支える都民ファ都議たちにも、思惑が。
「荒木氏は秘書時代、小池氏の自宅に住み込んでいた。今も時折自宅に遊びに行っており、小池氏は『ちーちゃん』と呼んでいる。そんな母娘のような関係性から、荒木氏の党運営は“小池の威を借る狐”と映ってきた。これまで複数の都議が離党した原因も、荒木氏への反発にありました。知事と議会が緊張関係を保つべき二元代表制に疑問符が浮上してきた事もあり、荒木氏が都議会からいなくなる事はむしろ歓迎というムードなのです」(同前)
ただ、選挙巧者の小池氏が危惧したのは荒木氏の知名度の低さ。まずは「キャラ付け」を試みたが……。
「ものまねタレントのりんごちゃんに似ている事から『私はりんごちゃんと呼んでいる』と会見で述べたかと思えば、別の講演会では、『(勇猛な女戦士を示す)アマゾネス』と紹介。いずれも上滑り気味で、小池氏は『全然、浸透しなかったね』と。応援演説では結局、何の変哲もない『私の相棒』に」(都政担当記者)
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source : 週刊文春 2022年7月7日号