7月2日に発生したKDDIの通信障害。全面復旧まで約86時間を要し、影響は最大3915万回線に及ぶなど携帯業界では過去最悪の規模となった。
ところが謝罪会見で、髙橋誠社長(60)が障害の原因や状況をほぼ一人で事細かに説明したことから、ネットでは「会見が的確で素晴らしい」「正に上に立つ人」などと称賛の声が上がった。
髙橋社長は滋賀県出身で地元トップ校の膳所高校、横浜国大工学部を経て1984年、京セラに入社。同年6月には同社の稲盛和夫社長が設立したKDDIの前身企業、第二電電企画に自ら志願して転籍した。
「20人ほどの創業メンバーの一人で、携帯事業に携わりながら、通信以外の新規事業やベンチャー投資で頭角を現した。インターネット接続サービス『EZweb』の立ち上げに携わり“ミスターau”とも呼ばれている」(経済部デスク)
2018年に社長の座に就くと、他社に先駆けて2年前から「ジョブ型」の新人事制度を導入した。
「専門性の高い人材には相応の報酬を支払うという制度で『キャリアの可能性を広げる』と謳っているが、実態はコストカットだとの声もある。部下なしの管理職が大量に降格させられ、2割程度給与が下がった社員もいます」(社員)
別の社員は「社長が主導する行き過ぎたコストカットが今回の大規模障害の一因になった」と主張する。
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source : 週刊文春 2022年7月21日号