「統一教会にメッセージを送っている動画を見て、繋がりがあると思った」
暗殺の動機をそう供述している山上徹也容疑者。統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と安倍晋三氏には、本当に「繋がり」があるのか――。
統一教会関係者が言う。
「統一教会は古くから保守政治家との関係が近かったのは事実です。その基盤は、1968年に創始者・文鮮明氏が設立した、反共産主義を掲げる政治団体『国際勝共連合』。“戦後のフィクサー”笹川良一氏が名誉会長に就き、笹川氏との交友で知られた岸信介元首相も勝共連合の設立に尽力したとされています」
その後も岸氏は、勝共連合が活動資金の大半を出した「スパイ防止法制定促進国民会議」とタッグを組み、スパイ防止法案の成立を目指すなど緊密な関係を続けてきた。実際、韓国の統一教会本部が94年に刊行した『写真で見る統一教会40年史』には、文氏と岸氏が笑顔で握手する写真も掲載されている。
「ただ80年代以降、違法な霊感商法が社会問題化し、統一教会には負のイメージがついた。そこで、別名称の“ダミー団体”を次々作り、政治家との接点を持っていきます。その一人が、岸氏の孫にあたる安倍氏だった。統一教会は97年から世界平和統一家庭連合を名乗り、名称変更を求めてきましたが、文化庁に承認されたのは安倍政権時代の15年夏でした」(同前。文化庁は「以前から名称変更の相談を受けてきたのは事実」と回答)
両者の関係が最初に取り沙汰されたのは、06年6月のことだった。統一教会系のNGO「天宙平和連合(UPF)」が福岡市内で主催した8000人規模の集会に、官房長官の安倍氏が祝電を送っていたのだ。UPFの創設者は文鮮明夫妻で、UPF-JAPANの会長は勝共連合などでも会長を務める梶栗正義氏。UPFもまた、統一教会の“ダミー団体”と言われている。
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source : 週刊文春 2022年7月21日号