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「彼に本を差し入れたい」山上徹也が手紙を送ったジャーナリストが語る“統一教会とカルトの子”

米本和広氏インタビュー

「週刊文春」編集部

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〈苦々しくは思っていましたが、安倍は本来の敵ではないのです。あくまでも現実世界で最も影響力のある統一教会シンパの一人に過ぎません〉

〈安倍の死がもたらす政治的意味、結果、最早それを考える余裕は私にはありません〉

 

 安倍晋三元首相を暗殺した山上徹也容疑者(41)は、事件前日の7月7日、岡山市内のコンビニからこう綴った1通の手紙を投函していた。
 

 宛先は、島根県在住のジャーナリスト・米本和広氏(71)。

 

『カルトの子―心を盗まれた家族』『洗脳の楽園―ヤマギシ会の悲劇』などの著書がある米本氏は、長年にわたりカルト宗教問題に取り組んできた。カルト宗教全般の問題を指摘する一方で、統一教会に関しては“反統一教会”批判も展開。2008年に刊行した『我らの不快な隣人―統一教会から「救出」されたある女性信者の悲劇』では、拉致監禁など強引な手法で信者を「脱会」させてきた家族とその協力者の行動について厳しく追及している。

 

 そんな米本氏のブログ「あと10年をポジティブに生きる記録」の熱心な読者だったのが、山上だった。

 

 山上は複数回にわたって米本氏のブログにコメントを投稿。米本氏とやり取りも交わしていた。

 

 母親の入信で家庭を破壊された山上は統一教会を憎悪し続けてきた。なぜ、米本氏に自らの想いを託したのか。米本氏に話を聞いた。

ポストに投函されていた「米本和広」と宛名が書いてある手紙

——山上からの手紙が届いた時の様子を教えてください。

米本 7月8日に安倍元首相が亡くなった後、大阪にいる読売新聞の記者から電話があり、「統一教会と献金の問題で話が聞きたいから家に行ってよいか」との依頼を受けました。僕は断ったんです。献金の話なんて、あらゆる場所に山ほど書いてきたわけだし、もう興味もないし。僕のこれまでの記事を読めばいいじゃないか。そういう気分だったわけです。でも、読売の記者は不思議な人で、「どうしても行きたい」と言うから、しょうがないと思って、後日、島根の私の家に来てもらうことにしました。

 7月13日に久しぶりに自宅のポストを見たんです。普段は、請求書ばかり来ているからポストは開けません。でもこの日はたまたま開けた。そうしたら、直筆で「米本和広」と宛名が書いてある手紙が入っていました。手に取ってみたんです。差出人は書いてない。でも開けてみると、手紙の他に、統一教会からの献金の返還請求の合意書のコピーが同封されており、山上君からだとわかりました。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル

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