今年で25回目の開催となる「俳句甲子園」。最多優勝を誇る開成高校の知られざる特訓の様子と、俳句に青春を懸ける高校生たちの姿に迫った。
俳句は中高年だけのものではない。17音に青春のすべてを懸ける高校生がいるのを知っているだろうか。
彼らの目標になっているのが、正岡子規を育んだ“俳句の聖地”愛媛県松山市で、3日間かけて行われる「俳句甲子園」(全国高等学校俳句選手権大会)。1998年以来、「俳句の日」である8月19日近辺の日程で毎年開催されてきた。
第25回となる今年は、全国から76校101チームが参加。地方大会を勝ち抜いた17チームと、投句審査で選ばれた15チーム、計32チームが集う。
洛南高校(京都)時代に俳句甲子園に出場し、現在は現代俳句協会青年部長を務める黒岩徳将さんが大会の仕組みを説明する。
「各校5人の生徒でチームを編成。兼題があり、地方大会では3題、全国大会では8題につき一人一句を事前に作って提出。大会では先鋒、次鋒、中堅、副将、大将の順に相手の句と対戦します」
面白いのが対戦校によるディベート。「なぜこのような表現にしたのか」など句に対する意見をぶつけあい、その白熱ぶりが俳句甲子園の競技性を高めている。最大13人の審査員が俳句の作品点を10点満点で、ディベートでの質疑応答に対する鑑賞点を2点満点で採点し、合計得点で評価する。
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source : 週刊文春 2022年8月18日・25日号