世界平和統一家庭連合(家庭連合/旧・統一教会)
日本本部 家庭教育局 元副局長 櫻井正上(まさうえ)
私は1998年から2017年、家庭連合の方針に反する意見を表明したかどで解任されるまで、約20年近く、日本家庭連合本部に所属し、信徒の家庭と青年の教育に携わってきました。
先月の痛ましい事件からひと月半が経ちますが、一国の指導者、この国になくてはならない方を失った悲痛な事実と、その要因が家庭連合信徒の家庭の困難と破綻にあったという事実に、この間、深い痛みと責任とを感じてきました。今回のことで深い傷を負われた方々を思う時、かける言葉も見つかりませんが、統一運動に関する連日の報道と、二度にわたる家庭連合の記者会見、並びに韓国でのデモ集会等の様子を見つめながら、強く思うところがあり、筆を執りました。
これまでのメディア報道には、事実と食い違う部分もありました。しかし、日本家庭連合が世界の活動資金の負担を強いられてきたのは事実であり、このことで、数多くの日本信徒の家庭が尋常でない困難を経験してきたことも事実です。警察発表を待つまでもなく、家庭連合内の積年の課題が、少なくとも、一人の青年の人生を破綻させ、一国の指導者の命を奪う一因となったなら、家庭連合はメディア報道の課題や信教の自由等を訴える前に、またデモ集会に信徒たちを動員する前に、謝罪の意を示し、本気で信徒の現状と向き合い、今回のことを根本的な体質改善の機会とするために死力を尽くすことが道理であり、せめてもの償いであるに違いありません。そうした変化の兆しが見られなかったことが残念でなりませんでした。
私は既に家庭連合を離れた身ではありますが、一人の信仰を持つ者として、また、家庭連合の内情の一端を知る者として、今回のような悲劇が二度と繰り返されないことを心から願い、胸の詰まる思いで、信徒の現状と家庭連合の課題について投稿したいと思います。
二世たちの痛み
報道でも取り沙汰されてきた通り、日本家庭連合(以下、日本教会)は世界の活動を支えるべく、全国の家庭がいわゆる「献金摂理」に加担してきました。それこそ、平和運動に寄与したい一心で献金される方々もおられましたが、ただ単に自らの家系の解怨や開運が主な動機で取り組むケースも少なくありませんでした。そして、その犠牲になってきたのは、常に子女たち…、いわゆる「二世」たちでした。
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source : 週刊文春