ミハイル・ゴルバチョフ旧ソ連元大統領がモスクワの病院で8月30日、91歳で死去した。1991年のソ連邦崩壊により60歳で失職、31年の「長すぎた晩年」だった。
91年にモスクワに「ゴルバチョフ財団」を設立して会長に就任。講演や訪問の要請が相次ぎ、世界を飛び回った。財団職員約50人を養うため、ピザハットやルイ・ヴィトンの広告にも出演した。日本では新興宗教に招かれ講演している。そして次第に「商品価値」は低下した。退陣直後、1万ドルとされたインタビュー料の相場は、10年後には500ドルに下がった。
財団の苦しい資金繰りを陰で支えたのはドイツ政財界とされる。財団の支部がバイエルン州にあり、1人娘のイリーナさんが支部長で、2人の孫娘もドイツにいる。本人も晩年はドイツに居住し、高度な医療を受けた。3年前、ゴルバチョフがミュンヘンに近い湖畔の豪華別荘を10億円強で売りに出した際には、ドイツがこの別荘や別の邸宅を提供したという噂が流れた。
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source : 週刊文春 2022年9月15日号