半導体ファウンドリの台湾UMC(聯電)の創業者で、伝説的経営者のロバート・ツァオ(曹興誠)氏(75)が、台湾社会の「台風の目」となっている。
きっかけは、ペロシ米下院議長の訪台だった。8月3日にペロシ訪台を認めた台湾への「懲罰」として、中国は台湾をぐるっと包囲する形で4日間にわたり軍事演習を行った。弾道ミサイルを史上初めて台湾上空を越えて太平洋に撃ち込んだ。
そこで立ち上がったのがツァオ氏。軍事演習の最中に「非常に不満だ。共産党を批判しないとならないが、批判するだけじゃだめだ」として、中国の侵略に対抗するための資金30億台湾ドル(約135億円)の寄付を表明。さらにシンガポール国籍だったのを、台湾籍に戻すとし、拍手喝采を浴びた。
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source : 週刊文春 2022年9月29日号