「こんなに厳しい選挙はなかった」
民主党が政権交代を果たした2009年の衆院選の当選報告会で、こう声を絞り出したのは下村博文衆院議員。1996年の初当選以来、盤石の強さを誇ってきたが、この選挙では新党日本公認、民主党推薦で出馬した有田芳生(よしふ)氏に約3000票差にまで迫られた。薄氷の勝利を支援したのは――。
政権交代の機運が高まり“民主党ブーム”が湧き起こっていた09年。間近に迫る8月の衆院選は厳しくなる――そんな危機感と焦燥感を自民党の誰もが抱えていた。悩みが尽きないのは下村陣営も同じだった。下村氏の元秘書が振り返る。
「1票でも多く票を掘り起こさなければ、という厳しい状況でした」
東京・武蔵野市の「武蔵野教会」に所属していた統一教会信者Xさんのもとに、教団幹部のF青年部長から連絡が来たのはちょうどその頃だった。当時、Xさんは20代。教団活動にフルタイムで専念する「献身者」だった。
「今度の衆院選で有田さんが東京11区から出馬する。落とすために対抗馬の下村さんを応援してください」
F青年部長にそう指示されたXさんは、同じ教会の3〜4人の仲間と板橋区内にある下村氏の選挙事務所に向かった。そこには、近隣の教会から来たと思われる信者が、他にも10人ほど集まっていた。
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source : 週刊文春 2022年9月29日号