ウクライナ 大反撃を生んだ3つの勝因とロシアの弱点

「週刊文春」編集部
国際 ロシア

 2月の開戦以来、一進一退の攻防が繰り広げられるロシアによるウクライナ侵略。9月上旬になって突如、ウクライナ軍が攻勢を強め領土3000平方キロメートルを奪還した。日本でいえば、東京都(2200平方キロメートル)よりも広い。現地で一体何が起きているのか。

「今月6日、ウクライナ軍が猛烈な反転攻勢を始めました。場所はロシアと国境を接する東部ハルキウ州。ウクライナ軍はロシア軍の拠点にされていた要衝イジュームを奪還。ロシアの侵攻計画は見直しが必要でしょう」(軍事ジャーナリスト)

ゼレンスキー大統領

 米戦争研究所によれば、10日までにウクライナ軍が奪還した領土は、4月以降にロシア軍が占領した領土を上回るというから、まるでオセロの駒をひっくり返すような逆転劇というほかない。

『独ソ戦』の著者で現代史家の大木毅氏が話す。

「ウクライナ軍の勝因の1つは、徹底的にアメリカ型のドクトリン(戦闘教義)に転換したことです。2014年にクリミアを占領されてから、ウクライナは徐々に西側の装備を導入し、軍の根幹である用兵思想までもアメリカ式にしたのです」

敗北を認めないプーチン大統領

 一体、どういうことか。

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source : 週刊文春 2022年9月29日号

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