中山道の「太田の渡し」は、かつて街道の難所として知られ、木曽川を船で渡る旅人の前にはだかった。大河の機嫌に翻弄され続けた人々は、大正に入ってようやく橋で両河岸を結んで治めたのだ。
その太田橋の袂から程近い美濃太田駅前に、新たな旅人が現れたのは10月1日の朝だった。人待ち顔でスーツケースを持つ女性のもとに、一台の車が滑り込む。彼女の破顔とともに運転席で笑顔を見せたのは、金子俊平財務大臣政務官(44)。当地岐阜4区を地盤とする金子氏は、祖父も父も時の大臣を務めたサラブレッドである。
2人を乗せた車は、この日は穏やかに流れる木曽川を越え、一路名古屋方面へと向かう。ともに半袖、短パン姿で休日のドライブデートだ。道中のコンビニでコーヒーを買い、ランチは人気のパスタ店へ。そして午後は書店を巡るという実に気の置けないデートコースを走ったのだった。
妻子ある金子氏だとしても、ドライブだけなら目をつむる。だが、女性の暮らす都内のマンションで度々夜を明かすのであれば話は別だ。小誌の直撃に金子氏は果敢にも“難所越え”を試みた。果たして彼は、かくも大きなうねりを治めることはできるのか――(★特集記事もあわせてお読みください)。
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source : 週刊文春 2022年10月20日号