愛する人を統一教会に奪われて 信者家族の告白 第1回

脱会した妹は言った「どうしてもっと早く助けてくれなかったのか」 40歳で入信した専業主婦の母。高校生と小学生の弟を救うため兄は…

石井 謙一郎

電子版オリジナル

ニュース 社会

 統一教会(現・世界平和統一家庭連合)は「幸せな家庭づくり」を標榜しながら、現実には数多くの家族の幸せを引き裂いてきた。妻や子が入信すれば、家族は必死に救い出そうとする。「信仰を捨てれば、自分も家族も地獄に落ちる」と信じ込まされている信者は、ウソをつき、抵抗する。5つの家族の実例から、マインドコントロールの恐ろしさと脱会の難しさを見ていく。

①1年半に及ぶ話し合いで、次女を取り戻した両親と姉の話

 A家は、関西で会社を経営する父と母、長女、長男、次女という家族構成。入信した次女を取り戻すまでの道のりを、両親と長女が振り返った。

 長女「妹は、池袋の駅で原理研究会に声をかけられました。大学に入って上京したばかりでした」

 母が「原理を続けるなら、大学には行かせない」と詰め寄ると、次女は「やめる」と応じた。その言葉を信じた母だが、どこかおかしい気持ちも残ったという。大学を卒業後は、一般企業に就職した。

 母「様子を見に上京して、『会社の近くでお昼ごはんを食べよう』と誘ったら制服姿で来たので、少し安心しました。でも脱会後に聞くと、仕事のあとに教会の活動で訪問販売などをやっていたそうです。訪問先でチャイムを押しながら寝てしまったことがあるほどハードな生活で、会社では居眠りばかりしていたと言っていました」

 次女から母に「実はいまも統一教会に入っていて、会って欲しい人がいる」という連絡がきた。相対者(結婚相手)のことだった。黙って合同結婚式に参加してから3年。教義で決められた「聖別期間」が過ぎ、同居を始めるタイミングを迎えていた。

統一教会による合同結婚式の様子 ©共同通信社

 長男と長女は「このままでは家族が分断される」という危機感をもち、ネットで調べて脱会支援をしているグループに辿り着いた。

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source : 週刊文春

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