愛する人を統一教会に奪われて 信者家族の告白 第2回

霊感商法に従事した長女。いつも腹を空かせ食パン1斤を貪り食べた

石井 謙一郎

電子版オリジナル

ニュース 社会

③長女は連れ戻しては逃げられを、5回繰り返した末に……

 B家は、両親と娘2人の4人家族。長女が統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に入信したのは、短大を卒業して就職した20歳のときだ。すぐに会社を辞めて献身(統一教会の仕事をすること)した長女は、家を出て共同生活に入り、霊感商法に従事した。長女本人が語る。

「数珠や宝珠、観音像を売りました。『お清め』というのもありました。『お金をいったん預けなさい。お清めしたら返します』と言いながら、その間に入信させるための教育をするんです。

 具体的に言うと、家計図と全財産を書かせて、封筒に入れて封をします。『先生がこれをお清めしますから』とその場を離れたら裏ですぐ封を開けて、『ああ、いくらいくら持っているね。じゃ、この金額ぐらいまで取ろうか』と相談していました。罪悪感はなくて、それがその人の救いになる。やらなければいけないと信じていました」

霊感商法で扱っていた壺など

 教会にも個人にも、毎月の売り上げノルマが課せられていた。朝早くから夜まで戸別訪問を続け、寝るのは深夜1時くらい。常に疲れていたという。

「ドアのチャイムを鳴らしてから、開けてもらうまでの間に寝ちゃって、ドアにぶつかってしまうとか(笑)。給料は貰えませんけど、衣食住はすべて教会が負担するので、お金に困ることはありませんでした。月に1万5000円だけお小遣いをもらって、生活していました」

 しかし母は、たまに帰宅する娘の見た目の変わりように驚いた。おしゃれが好きだったのに、洋服も買わなくなり、髪型もあまりに無頓着だったからだ。いつもお腹を空かせていて、食パンの袋を開けるなり、たちまち1斤食べてしまうこともあった。暮らしぶりを心配するのは当然で、信仰にも反対する。

 長女は、こう振り返る。

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source : 週刊文春

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