「私も確かに軽率だったと思います。でも、彼はあまりにも不誠実で……」
こう悲嘆に暮れるのは、30代のA子さん。「彼」とはかつて甲子園を沸かせた、あのスター球児だった。
中村奨成(23)は広島県廿日市市の出身。3歳のときに両親が離婚し、女手一つで育ててくれた母の勧めで、地元の軟式野球チームに入団。当時は「甲子園に行ってプロに入る」というのが口癖だったという。
地元の名門・広陵高校の門を叩いた中村は1年生から正捕手の座に就く。一躍脚光を浴びたのが2017年、3年生の時に出場した夏の甲子園だ。中村は6本の本塁打を放ち、清原和博が持っていた一大会の個人最多本塁打記録を更新。チームを準優勝に導いた。
当時、中村を取材したスポーツ紙記者が話す。
「広陵の中井哲之監督は、高卒でそのままプロ入りさせることは滅多にない。しかし『母を早く楽にさせてあげたい』という本人の強い希望を受けて送り出した」
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2022年11月3日号