10月31日、「週刊文春」は大きな節目を迎えました。最も長く在籍したKさんが、編集部を卒業されたのです。Kさんが、編集部に来られたのは1997年。私の入社した年です。以来25年、編集部で長く総務的な仕事を担当して来られました。1日中、鳴りやまない問い合わせの電話をさばきながら、編集部アルバイトの管理、出前の手配など仕事は膨大にあります。
特に、電話の応対は大変だったと思います。読者の問い合わせ、取材依頼に対する取材先からの回答、テレビ局やスポーツ新聞からの記事使用申請、はたまたクレーム……。凄いのが、Kさんの重要な電話を見抜く目、いや耳です。たとえば、情報提供の電話。現在は、文春リークスに書き込んでもらう形になりましたが、以前は、電話での情報提供が多くありました。玉石混淆、率直に言えば、個人のトラブルや妄想などがほとんどで記事になりそうなものはごくわずか。ところが、Kさんが聞いて、「これは……」と電話をデスクや記者に取り次ぐことがあります。この中から、何本も世の中を揺るがすようなスクープが生まれています。
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source : 週刊文春