「岸田さんはアクションが遅い。『説明責任を果たしてほしい』なんてダメだ。総理が決断しないと」
最近、自らの側近議員にそう語っていたのは、「決める政治」を掲げてきた“あの男”だった。
岸田文雄首相は11月20日夜、寺田稔総務相を更迭した。寺田氏を巡って小誌は10月6日発売号以来、7週にわたって計10件の政治とカネの疑惑を報道。先週号では、昨秋の衆院選で地元市議らに報酬を支払っていた買収疑惑を報じた。
「11月11日に葉梨康弘法相(当時)が辞任した際、森山裕選対委員長らからは『寺田も一緒に更迭すべき』という声が上がったものの、首相は『寺田は悪くない。頑張らせたい』と庇い続けた。首相と寺田氏は同じ宏池会で、同じ広島が地元。しかも、同学年です。“身内”なだけに、クビを切れなかったのでしょう」(官邸担当記者)
翌12日から8日間に及んだアジア歴訪。現地で小誌が報じた寺田氏の買収疑惑を知った首相は、
「いつまで続くのか」
と嘆き、疲れた表情を見せていたという。だが、なかなか寺田氏更迭の決断には至らなかった。
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source : 週刊文春 2022年12月1日号