データセンター事業などを手掛ける「ブロードバンドタワー」(東京都千代田区)の藤原洋社長(68)。現在は、総務省の有識者会議「デジタル変革時代の電波政策懇談会」で委員を務めている。近年では、DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略の第一人者としても知られ、政府のデジタル政策を牽引してきた人物なのだが……。
京都大学理学部卒の藤原氏は日本IBMやアスキーなどを経て、1996年に「インターネット総合研究所(IRI)」(東京都新宿区)を創業した。同社は1999年に東証マザーズ上場第1号企業として上場。2000年にはブロードバンドタワーを設立し、2005年に大証ヘラクレス(後に東証ジャスダックに統合)に上場を果たした。
ベンチャー企業の経営の傍ら、深く関わってきたのが、政府のデジタル政策だ。IRIのHPには、藤原氏の公職活動として「総務省 ユビキタスネットワーク技術の将来展望に関する調査研究会 構成員」「総務省 インターネット基盤委員会 主査代理」「総務省 ICT政策タスクフォース メンバー」「総務省電波政策2020懇談会構成員」などと、総務省を中心に数多くの有識者会議で委員を務めてきた実績を掲げている。また、今年4月からは、仙台市の市長補佐官(デジタル担当)を務めている。
岡田担当相と大臣室で面会
「実は藤原氏は、岸田文雄首相の看板政策『デジタル田園都市国家構想』(デジ田)の旗振り役でもあります。デジ田は大平正芳元首相が提唱した田園都市国家構想を範に、デジタルを活用して地方活性化を目指す取り組み。12月2日に成立した第2次補正予算でも関連交付金として約800億円が計上されました」(政治部記者)
藤原氏は今年2月、デジ田の官民連携による推進を目的に「一般社団法人デジタル田園都市国家構想応援団」を設立し、代表理事に就任。理事には、東武トップツアーズ取締役執行役員の濱崎真一氏らが名を連ね、設立総会には、若宮健嗣デジタル田園都市国家構想担当相(当時)も出席した。
「若宮氏はデジ田議連も立ち上げ、総会で『藤原先生にやろうと言われた。岸田総理にも名誉会長就任を依頼している』と語っていました」(同前)
最近も河野太郎デジタル相や、岡田直樹デジタル田園都市国家構想担当相と意見交換を実施。岡田事務所によれば、「9月29日に、(デジ田応援団)代表理事である藤原氏などの挨拶を受け、(大臣室で)当該団体の取組事例の説明を受けた」という。
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